2014年4月アーカイブ

株式投資で銘柄選びの簡単な目安として、「株式のレーティング」を公表している証券会社がいくつかあります。

レーティングとは、直訳すると「等級・格付・試験の評点」という意味ですが、株式のレーティングと言うと、株式の分析を日常業務としているアナリストが、調査にもとづいて行う投資判断のことを言います。

例えば野村証券の場合は、今後6ヵ月間にどの程度株価が上昇するかを、5段階にわけてレーティングとして公表しています。

・レーティング1・・・TOPIXを15%超上回る
・レーティング2・・・TOPIXを5~15%上回る
・レーティング3・・・TOPIXに比べて±5%以内
・レーティング4・・・TOPIXを5~15%下回る
・レーティング5・・・TOPIXを15%超下回る


しかし、これはあくまでも予想であり、はずれることも数多くあります。そしてはずれても、アナリストや証券会社が責任を取ってくれる訳ではありません。

あくまで株式投資判断は投資家自身の自己責任です。そのため、株式のレーティングを見る場合に注意する点がいくつかあります。

第一は、予想は相対的なもの(例えばTOPIXに対してなど)で、絶対的な予想値でないこと。

第二に、どの程度の期間の予想なのかに注意。

第三に、他の証券会社のレーティングはどうかなど比較してみるということです。

株式投資のレーティングをつけるアナリストは、自分の担当業種については詳しく分析していますが、他業種の会社の株式については、あまり分析しません。したがって、他業種の株式を比較する場合には、1社のレーティングだけで判断することは危険です。


また、アナリストは担当会社に実際何度も出掛け、ヒアリングを行ったりしています。会社側の担当者と顔見知りなると、なかなか低いレーティングは付けづらいものがあります。

さらに、証券会社にとって、その会社が顧客であることもよくあることです。このような理由で、レーティングはやや高めに付けられているのが現状です。